Dangerous Charms

個人の感想です

aikoの細かすぎる話

今回はaikoの数ある売りのひとつ、カラートレイの話である。
なお、後から分かったことがあったり最新作で何らかの変化が起きた時は随時更新していく。


aikoも、最初はパッケージの形態はリリースによってバラバラであった。デビューシングルは8cm、ナキ・ムシはスリムケース、ファーストアルバムは初回盤のみ三面デジパック、花火はジュエルケース(初回盤のみ匂い玉入り)。
現在の形態である初回仕様のカラートレイは、カブトムシから始まったのだ。

ただ、この段階ではその場限りの仕様であった可能性が高いし、現在のフォーマットに安定するまでは実は初回・通常どちらもその内容に作品ごとに差異があることはあまり認識されていない。というか、気にしてる人なんていないだろうけど…。

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「カブトムシ」
初回仕様は薄いオレンジのカラートレイ、プラスチックの透明帯(ポニーキャニオンのホームページのURL表記)、三つ折りの歌詞カード(左2Pに歌詞を3曲分詰め込んでいて、一番右の両面写真の部分が初回のみ)、オレンジ色のディスクレーベル
ここから現在に至るまでのaikoのCDパッケージの基本フォーマットができた。

通常仕様は白トレイ、二つ折り歌詞カード、赤のディスクレーベル
カラートレイで下が見えないからいいやということなのか、トレイ下は全く印刷のない白地であった。通常仕様もそのままで普及品の白トレイ。わざわざ初回と通常でディスクレーベルの色を変えたり写真入れ替えているのに、トレイ下の印刷はしてくれないという謎。

「桜の時」
当時一部で流行っていた完全生産限定盤のため通常仕様が存在しない。カブトムシのフォーマットを引き継ぎつつ、今回はトレイ下にも桜模様の印刷がされていて、ディスクのセンター部分にaiko手描きのガイコツのイラストが覗いている。ちなみにジャケットに使われている和紙は手漉きで、これを制作した工房はこのシングル用だけで一年分の稼ぎになったという話がある。ディスクレーベルもピンク一色。このシングルのみ、写真が一切使われていない。

「桜の木の下」
このアルバムから、初回盤と通常盤でジャケットの写真が違う仕様が始まり、今に至る。
今では当たり前となったジャケット違いを売りにするのを本格的に広めたのはaikoなのだ。
(それまでもジャニーズ等でジャケット違いはあったが、単に複数買わせるためのものでアートワークという目的でやっているわけではなかった)
歌詞カードは何故か表紙がプラスチック板になっており、ここにタイトルが印刷されている。これが非常に傷つきやすく(製造段階で歌詞カードを入れた時にまず傷ついてるはず)、出し入れもしにくいためか後のアルバムでは採用されなくなった。トレイ下は赤一色の中に恋愛ジャンキーの歌詞があり、センターからその一部が覗いている。ディスクレーベルも赤一色。歌詞カード本文が色付きとなっている。
また、初回仕様は2001年9月20日に復刻され再出荷されたが、シュリンクステッカーがなく、カラートレイは開口部サイドが二つの丸い切り欠きのあるものへと変更された。
10周年記念による復刻リリースの際、ジャケットの文字部分が赤色になり、帯のロゴマークが現行のものに変更(夢道を除く復刻盤で共通)。

通常仕様はジャケットにタイトルがなく、帯に書かれている。インレイには何故かaikoの文字が。ディスクレーベルはインレイの写真を赤1色でモノクロ印刷したもの。歌詞カード本文は色なしとなっている。
そして「恋愛ジャンキー」の歌詞は帯の裏面にあるため、発売当時、中古店での買取価格に帯付きか否かで価格差があった。

「ボーイフレンド」
ジャケット写真は同じであるものの初回仕様は上質紙を使った三つ折り歌詞カード、インレイもカラートレイと同じ色で、センター部分にはaikoが描いたテトラポットのイラストがある。

通常仕様は紙質を下げた二つ折り歌詞カードで、裏ジャケットの写真が違う。その後も、初回仕様と通常仕様でジャケットは同じでも裏(含めたその他全部)が違う「裏ジャケ違い」が「おやすみなさい」「アンドロメダ」「花風(ただしタイトル文字の色は違う)」「三国駅」「向かいあわせ」で発生している。
ちなみにこのシングルの通常仕様のみ、帯がない(花火の初回仕様にも帯はないけれども)。裏にバーコードを印刷したシールが貼られているだけである。
通常仕様はカラートレイなしでも見た目をそれっぽい感じにするべく、左の隙間部分はトレイと同じ色で、初回仕様の帯と同じ位置にURLが書かれている。(ちなみにバックインレイには初回仕様にはない写真がある)
おそらくこれを見せるために帯なしにしたと思われるが、別に帯を付けても同じことはできるので今回限りの採用となった。ディスクレーベルは共通で、aikoの写真が色抜きで印刷されている。

今では殆ど覚えている人はいないが、実はシングルで唯一初回仕様が再出荷されている。シュリンクステッカーがなく、トレイの形状は同じである。リリース当時はそのことに触れているファンサイトもあったが、個人サイトという文化が消滅しまくりの現在ではそのことを証明しようもない。ネット時代の盲点である。ちなみに筆者は未開封で所有している。

「ナキ・ムシ」
元々はセカンドシングルだが、2000年12月15日に小さな丸い好日と共に再発(同一品番のためどちらも再出荷扱い)。スリムケース仕様だったパッケージがジュエルケース仕様となり、初回プレス分のみカラートレイ仕様になっている。(それならアルバムの方も合わせてカラートレイにして欲しかった…)
ジャケット・歌詞カード・ディスクレーベルともに初回・通常で共通。初回仕様のみカラートレイで、インレイの印刷がピンク1色という違い。通常仕様は何故か帯にもインレイにもURLの記載がない。通常仕様のインレイは全面が空の写真らしきものになっている。
また、シングルではこの作品以降、現在に至るまでカラートレイが右側に二つの切り欠きがあるものへと変わった。
(この半円の切り欠きは、初期のジュエルケースの歌詞カードのストッパーが丸かったことの名残)

「初恋」
ここから初回仕様の歌詞カードが8Pのブックレット形式となり、更に裏ジャケットには曲目のみで他に価格や注意書きの文字が一切ない仕様となった。ただしどこかに書いてないとダメらしく、ブックレット内部にそっくり移っている。
ディスクレーベルはカラートレイと同色の上にaikoの写真がモノクロで印刷されている。
帯のURLがポニーキャニオンから独自ドメインの公式サイト(aiko.can-d.com)へと変わった。

通常仕様は三つ折り歌詞カードで、ディスクレーベルは一色のみ。

これが、現在まで続くaikoのシングルの共通仕様である。

「初恋」「ロージー共に、通常仕様はボーイフレンドから引き続き帯を取ってもカラートレイっぽく見せるためにインレイのヒンジ部はカラートレイと同色の印刷でURL付き。
ちなみにロージーの通常仕様の歌詞カードは、縦に構成されている。

「夏服」
初回仕様はインレイにもカラートレイで見えないが写真がある。そしてこのバックインレイにはある仕掛けがあって、この作品以降現在まで全てのアルバムの初回仕様で同じ仕掛けとなっている。
カラートレイは切り欠きのないものを採用(一部出荷分に切り欠きあり)。
また、このアルバムにも初回仕様の再出荷バージョンが存在する。前作と同じようにシュリンクステッカーがなく、カラートレイに切り欠きがある。
10周年記念による復刻リリースの際、ジャケットの文字色が黄色に変更された。

通常仕様は歌詞カードの中は共通、インレイにURLの記載がない。
「夏服」の歌詞は前作と同じく帯の裏面に。例の写真もここで小さいけれど見ることが可能。

「おやすみなさい」
このシングル以降、インレイは全面が写真となった。URLの表記は残っている。

「あなたと握手」
このシングルのディスクレーベルは、カラートレイの色とは違う白である。何故かというと初回仕様と通常仕様でイメージカラーが変わっており、どちらにも共通させるためだと思われる。
とはいえ通常仕様だけ色を変えれば済む話であるため、トレイとディスクレーベルの色が違うのは今回のみとなった。三国駅・KissHug・もっと等、初回仕様と通常仕様でイメージカラーが変わる場合はディスクレーベルの色もちゃんと変えてある。

「秋 そばにいるよ」
先行シングル「今度までには」と共に、初回盤と通常盤とで品番が違う。この2つだけそうなった理由は不明だが、当時は大した仕様でもないのに初回盤と通常盤で品番を変えてプレミア感を演出するのが少し流行ったのでポニーキャニオンもそれに乗っかったと思われる。
初回盤と通常盤とでは歌詞カードの裏表紙の写真も違う。
カラートレイは右側に切り欠きのないものを採用。(夏服と同じく、一部出荷分に切り欠きあり)
10周年記念による復刻リリースの際、ジャケットの文字色が黄色に変更された。

「蝶々結び」
このシングル以降、トレイ下の左側にURLが記載されることがなくなった。

「えりあし」
とうとうaikoにもコピーコントロールCDの魔の手が…。
とはいえ、パッケージには極力手を加えないように配慮してデザインする旨が公式サイトに採用発表とあわせて記載された。実際シュリンクステッカーにロゴマークや注意書きがある以外は表面的には全く分からない。
各社CCCDを採用してからは帯にドカーン、裏ジャケにドカーン、下手すりゃ初回特典のスリーブケースにCCCDのマークや注意書きがドカーンとお下品に主張してしまっていたというのに、ポニキャは女王に忖度したのか、ほぼ分からないようにデザインをした。
(ちなみにスリーブケースの件は上戸彩のシングル…ってポニキャじゃん!なにこの女王と王女の扱いの差!そういえば同じポニキャの市川由衣も…)
歌詞カード内部にも注意書きが記載されることとなったが、極力小さな表記となっている。
元々あったCDの注意書きとかルーペがないと読めないレベル。最初っからこのくらいでいいよ邪魔だし。

現在aikoCCCDは全て通常のCDへと戻されて出荷されているため、この歌詞カード内の注意書きも存在しない。
また、カラートレイがCDDAのロゴマークのないものに変わった影響かどうかは不明だが、素材に少しチープさを感じるように…。

「暁のラブレター」
このアルバムから、歌詞カード内の写真も初回仕様と通常仕様では全て違うものになった。
トレイが最初から切り欠きのあるものが採用されている。
10周年記念による復刻リリースの際、ジャケットの文字色が紫色に変更された。また、CCCDから通常のCDに戻されており、歌詞カード内のCCCDについての注意書きがなくなっている。リマスタリングもされた(SACD盤と同一)ので音質もかなり変わった。

「あした」
8cmシングルとしてリリースされたメジャーデビューシングルが、2007年3月21日にマキシシングルとして新装発売。フォーマットが変化したため正式な再発盤となった。
もちろん初回仕様のみカラートレイ。
ジャケットやディスクレーベルは初回・通常で共通だが、今回はナキ・ムシと違って初回仕様の恒例・何も書いてない裏ジャケットのため、初回仕様のみ価格等は歌詞カード内に表記されている。一見同じ歌詞カードではあるが微妙な違いがある。ロージーと共に、歌詞は縦構成。

戻れない明日
このシングルから、ボーイフレンド以降続いていた裏ジャケットのタイトルとアーティスト名の記載(両A面シングル除く)がなくなった(何故か向かいあわせの通常仕様にだけ復活)。

恋のスーパーボール/ホーム」
遂にaikoも複数商法へと…。ジャケットとカラートレイの色違いという、いつかやりかねないと思っていたaikoならではの手法。
色違いの関西限定仕様盤はホームが1曲目となり、カラートレイの色は阪急電車の車体カラーである、阪急マルーン。正直言ってオリジナルの初回仕様よりいいデザイン。

「まとめ」
初めてのベストアルバムは2枚同時発売。初回仕様は分厚い立派なボックスと、ラジオと新曲と別アレンジ曲を収録した特典CDが付いている。
もちろんいつものカラートレイも健在であるが、透明の帯は付いていない。
通常仕様もスリーブケースに入っている。
ちなみにディスクレーベルはレコードを模したデザインだが、初回仕様はピクチャーディスク、通常仕様は普通のシルク印刷という違いがある。
これで同一品番お値段据え置き2800円。おトク。
ソニーなら3900円にするぞ絶対。

「Loveletter/4月の雨」
遂にシングルでも特典商法へと…。外付けではあるが、初回仕様に今回もラジオCDが付いている。とはいえ相変わらず品番も同一のまま、お値段も据え置きのお得仕様。これソニーなら安くても1500円とか取るぞ絶対。更に、4月の雨は先行で配信リリースされていたことを理由に4曲収録という豪華さ。これソニーなら(ry
シュリンクステッカーにあるからいいやと思ったのか、帯にバーコードが印刷されていない。

更に曲順・ジャケット・カラートレイ違いの複数商法が再び。今度はツアー会場限定盤で、ピンクのカラートレイとなっている。通信販売でも入手可能だった。一般販売がなかったためかこれだけ品番がPCCAではない。

泡のような愛だった
初回仕様と、通常仕様の初期出荷分それぞれに内容の異なるラジオCDを付けるというコンテンツによる複数商法を初めて展開。お値段据え置き・同一品番ではあるが、通常仕様の初期出荷分だけはISBNが違っている。
また、見えないからいいとでも思ったのか初回仕様の裏ジャケットには何故か曲目の表記がない。

「あたしの向こう」
このシングルからURLがaiko.comに変わった。今まで誰かがセカンドドメインを使ってたのが契約切れで使用可能になったのだろうか?

「May Dream」
とうとう大々的な複数商法へと…。
初回盤A・B・Cと3つに渡って展開、AとBはツアーを丸々収録したBlu-rayもしくはDVD、Cにはライブアレンジによるセルフカバー4曲入りCD。これはかなりアレだぞ…。
もちろんカラートレイは健在でAもBもCも同じ仕様ではあるが、AとBだけジュエルケース2枚あるために、クリアスリーブケース仕様となった。そのため透明の帯がなく、いつものURLはクリアスリーブケースに書かれている。
初回盤Cにだけいつもの帯が付いている。
さすがにBlu-rayやDVD付けたらお値段据え置きにするわけにもいかずAは5000円Bは4500円となってしまった。据え置きはCだけ。
ここまでやってるのに品番は共通。何故か初回盤C、B、Aの順番で品番の末尾にW、X、Y、と付く。

「予告」
このシングルで初めてURLの位置が下に変わった。
今まではカブトムシ以降続いていた、縦にした時に見る前提の位置となっていたが、これからは横にした時に見る前提の位置となった。つまり縦にすると字が逆さまになる。これはつまり、縦のデザインはもうやらないということなのだろうか…?
以降、ストローと青空、そしてハニーメモリーで同じ仕様。

aikoの詩。」
これが一番の問題作かもしれない。
豪華な80Pブックレット、ボックス仕様は永続というアーカイブスらしい作りにもかかわらず、初回盤はカラートレイ仕様とDVDが付く。
DVDは外付けとなったが、カラートレイは4枚組用のケースの両端のトレイが赤と青の2色付いただけ。間のつなぎの部分は透明。
これはちょっとなぁ…。
aikoのカラートレイは見せるデザインとして成立させているからこそ、それが売りにもなったわけでしょ?miwaやDISH//がカラートレイを真似ても続かなかったのは見せるデザインにしなかったというのも大きいと思う。
なのにパッケージの形態がまるで違うのにトレイだけお義理でカラーにされても…それに赤と青、もうダブってるし…。
値段跳ね上がってもいいので、初回仕様だけは別々のジュエルケースにして4色のカラートレイ仕様にして欲しかったな。これならファンも嬉しいでしょ。
それにaikoのCDに映像付けても売上枚数に貢献しないことはMay Dreamで証明済み…。

「ハニーメモリー
通常仕様の帯にアーティスト名とタイトルが印刷されている。これは桜の木の下以来のことである。

「どうしたって伝えられないから」
初回限定盤はMay Dreamと同じ仕様でBlu-rayもしくはDVDが付属するが、初回限定盤Cはないので透明帯の存在しないアルバムとなった。
更に秋そば以来の品番違いになっていて、初回限定盤AはPCCA-15003、BはPCCA-15004、通常盤はPCCA-15014である。
初回限定盤のCDにはAとB両方の品番が印刷されている。また、裏ジャケの仕掛け(圧着はがきと同じ仕組み)を作る工場の機械が故障で製造できなくなってしまったらしく、今回は違う方法で作られているらしい。

「ねがう夜」
シングルでは初めて初回盤にライブ映像(Blu-ray)が付属する。そのためクリアスリーブケース仕様となり、透明帯がつかない最初のシングルになった。また初回盤と通常盤で品番が別となるのは「今度までには」以来。当然値段は跳ね上がり、3630円に…。別に売られるよりはお得とはいえ、これからは映像付きが常態化していくのだろうか…?

「星の降る日に」
再び初回盤が映像付きとなったが、DVD付きの初回盤Bが追加され、これによりシングルでは初めてとなる初回盤2形態仕様となった。おそらく映像メディアのBlu-ray移行が進んでいない影響で、DVD付きの需要があるためと思われる。


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これからも、もしかしたらaikoの初回仕様は変化していくかも知れないし、時代の流れでCDを出さなくなるかも知れないし、カラートレイもいつまで続くか分からない。
まあ、20年以上同じ仕様を続けているだけでも驚異だと思いますけどね…。
最初買ってた頃は2、3年くらいでやめるだろうなーくらいにしか考えていなかった。まさかまだ続くことになるとは…。そして買い続けている自分…。