Dangerous Charms

個人の感想です

アップデートしますか?


日本人の戦争に対する認識がアップデートされてないんだから仕方ない。
だからいつまで経っても「はだしのゲン」「火垂るの墓」「少年H」みたいなのが持て囃されるわけ。
彼らは終戦時に幼少期だったり思春期だったりして、戦争当事者としてまだ社会に関わってない頃に戦火に苛まれており、その描写はどこかしら天災めいてうつるし、彼らにとってはそうだったのだろう。
もちろんこれらの作品だって戦争のいち側面であるのだが、全てではない。
世の中というのは複雑で不条理なものなのに、それを理解どころか認識しない人が大勢いるからいまの戦争の形について行けず「ああ可哀想、やっぱり戦争よくないよね、世界が平和になりますように」という形の「思考停止」を図るわけだ。
だからISILもシャルリーエブドもシリア難民もみんな問題を見誤る。
見誤った果てにまた「ああ戦争って悲惨。ラブアンドピース」と更なる思考停止のすり替えを重ねるのだ。

だいたいいまのシリア難民問題だって、かつてアメリカがシリア介入しようとした時は「戦争反対!」と多くの反発の声が挙がったのに、今では逆に収拾つかなくなったシリア難民の死体画像に同情が集まる空気。非難のみで介入しなかった国際社会の意思決定の当然の結末。
戦争はいやだ。でも戦争しなきゃもはやどうにも止まらない。さあどうする?

かつての日本だってこのように「行くも地獄行かぬも地獄」の状況に陥ったのを、みんな忘れている。