Dangerous Charms

個人の感想です

商業アンソロ本?

きっかけは血界アンソロの発売が続々決まり、ツイッターで話題となって「血界の商業アンソロが無許可で発行。今後版元と問題が起こる可能性」として「その本を買わないよう」「原稿依頼がきても断るように」というツイートが回されツイッター内学級会が始まったこと。
それが増田にも波及したようだ。

そりゃ権利があるのは作家さんですから、出版がなくなったとしても致し方ない措置だ。これを「ケチだ」「誰が支えてやってると思ってんだ」みたいな文句言ってる人は著作権先進国(皮肉)のアメリカにぶち込みたいものですな。

それにしても「商業アンソロ本」は作者や出版社の許可なしに出版されているということが案外認知されていないのに驚き。
てか、許可なんか取る厚顔無恥な出版社も許可を出すアホな権利者もいるわけない。
もちろんかの有名な「ドラクエ4コマ」みたいに公式側の企画や公認で出ているものもちゃんとあるのは知ってるけど(スクエニ系はそういうのが多い。最近は刀剣乱舞の公式アンソロジーも出た)、基本的に無許可タイプのアンソロは執筆者は同人作家、内容は同人誌と同じで恋愛・性描写まで含めた作品にISBNが付いただけの代物であるのは流石に知られてると思ってたよ。
(公式アンソロは自身の出版社で描いてる作家をかき集める。非公式は同人誌の再録から描き下ろしから様々)
それが証拠に正式タイトルも正式ロゴも(c)も使ってないでしょ。モノによってはキャラの名前すら変えてあったりする。作者紹介ではサークル名を併記することも。
ちなみに自分が商業アンソロというものを初めて知ったのはセーラームーンのアンソロ「ムーンファイト!」だったっけ。絵柄が全く違うので原作セーラームーンと勘違いはしなかったけど、こんなもの売っていいんだとびっくりした記憶がある。
その後ブックオフが広まり、大型単行本コーナーを見て商業アンソロというものがこんなに出てるのかと知ることになったっけ。
Amazon覗くと、黒バスの商業アンソロとかバカスカ出てるもんな。しかもいまや開き直ったかのようにカップリング別・テーマ別・そして同人作家別に作品を纏めた同人作家コレクションなるものまで存在する始末。
まあ、公式側は海賊版を作るような真似をしなければいいのであって、そもそもパロディ同人誌は原作の愛好者によるものという前提であって、原作コミックの市場を浸食するというわけでもないから…。
でも著作権侵害ですけどね…。

これ言ったらおしまいだが、商業ボーイズラブの元祖がそもそもジャンプ系商業アンソロなのだ。それが継続しているだけのことである。
1987年にふゅ〜じょんぷろだくとから出版されたキャプテン翼の商業アンソロ「つばさ百貨店」そして1988年に出版された聖闘士星矢の商業アンソロ本「メイドイン星矢」が始まりなのだ。
同人誌を堂々と雑誌にしてしまったCOMIC BOX Jr.で有名なふゅーじょんぷろだくとと、いまは亡きビブロス青磁ビブロスだった頃に出したこれらのアンソロがキッカケで、同人誌とJuneのような一部雑誌だけの世界だった商業BLというものが本格的に花開くことになったわけ。それを考えると学級会しても詮ないなぁという。

つばさ百貨店 (POEBACKS)

つばさ百貨店 (POEBACKS)

追記:あれだけ騒いでおきながら血界アンソロは売られている。あの騒ぎはいったい何だったのか。ヘタリアの自粛騒動を思い出す。