Dangerous Charms

個人の感想です

中森明菜「AKINA BOX 1982-1991」SACD/CD Hybrid

中森明菜デビュー30周年記念として、2006年にリリースされたAKINA BOX(赤箱)から6年ぶりのCDボックスリリースとなった。

といっても2010年末から体調不良でご本人は休業中。30周年の新作リリースがままならない状況の中でのリリースなので、記念とはいえCDをSACDにしただけのアッサリした内容でのリリースとなった。
(…実はひと月前にとんでもない代物をリリースしているのだがそれは次へ)

内容は通常のCDだった赤箱をSACD/CDハイブリッド盤に、箱と冊子の色を青に変えた通称「青箱」。DISC18が特典ディスク「Seventeen」ではなく「BEST Ⅲ」になっている。

当初はたったそれだけの内容で、SACDといっても37000円から45000円に値上がり(バラだと2200円から3200円)しているし、何より赤箱の在庫が当時はアンコールプレスによりまだ存在していたので評判はそんなによくなかったと聞くが、SACDということで歌謡曲コレクターも手を出してこちらもすぐ売り切れ、赤箱とは逆にバラ売りのみ2014年にアンコールプレスされて、2016年くらいまではすぐ完売したベスト3作以外新品でAmazonから購入することが可能だった。一部作品は他ショッピングサイトにまだ在庫がある模様。
今ではこのマスターと同一音源かどうかは未確認だがハイレゾが配信されており、専用の機材を揃えないと再生できないSACDと違ってハイレゾ対応の携帯プレイヤーやCDレシーバー、コンポ等がそれより安価で購入できるし、何より2014年に廉価盤がリリースされてCD層の音源はそちらで聴けるので(ただし音圧が上げられているので完全に同一ではない)完全にコレクター向けとしての需要しかないものと思われる。

なお、こちらは赤箱とは違って通販限定商品と内容が共通のために通販用の品番はボックスの巻き帯に併記されているのみで、中身の品番は同一。バーコードは上からシール貼りされている。
DISC1〜17までは品番と歌詞カードのSACDの説明以外、赤箱と全く同一内容。
唯一「Cross My Palm」のみ、文字色が少し変わっている程度。
DISC18の「BEST Ⅲ」は忌まわしき最初の非公式ベストであり、もうCDしかない時代のアルバムをムリヤリ紙ジャケにしただけでLP向けのリーフレットなど当然なく、縮小マジックもかけられないのでジャケットはカラーコピークオリティのお粗末なもの(非公式ベストの版下なんか残してないだろうしね)。
更に恐ろしいことに歌詞カードの中身までもコピーって………。そこは文字を打ち直すか他の通常歌詞カードに合わせなさいよ。元々写真の一枚もない質素なブックレットなんだから…。こんなクオリティで単品3200円とか出したくないなぁ。
LIARから二人静までのシングルを埋めるためには必要だったんだろうけど、これを入れるならいっそ「もう一人の明菜」も付け足してしまえばよかったのでは?B面の名曲群をリマスターで聴くには、とっくに売り切れたライノマスターかシングルボックスを入手するか配信しかない状況になっているので、非公式B面集「もう一人の明菜」にまだ需要があるという有り様である。
そしてまたしてもミニアルバム「SILENT LOVE」「MY BEST THANKS」「Wonder」はスルーされた。これらのリマスターは2014年まで待たねばならない。

AKINA BOX(紙ジャケット&SACD/CDハイブリッド仕様)

AKINA BOX(紙ジャケット&SACD/CDハイブリッド仕様)